本記事ではAperport(アペルポート)の関係性管理機能の概要と、画面設計・機能設計の意図・背景をお伝えします。
関係性管理機能は発注会社が、受注会社との関係性を管理できる機能です。関係性管理は、エンジニアに対する評価だけではなく、営業の対応、受注会社全体の方針なども踏まえて、各現場レベルで感じた内容を記録するためのものです。
これにより、新規プロジェクトでエンジニアや体制を検索した際に、自社とパートナー会社の関係性を即座に把握し、迅速な意思決定が出来るようになります。
目次
関係性管理機能
関係性管理機能のメリット
総合的な評価
ボトムアップの知識の集約
パートナーシップ強化に向けた優先度決め
関係性管理機能は、発注会社の中で、既存および新規のパートナーとの関係性に関する情報を、発注会社内でクローズドで共有できる機能です。
具体的には、発注優先度について「高・中・低」を選択し、詳細説明を登録できるようになっています。
また、パートナー会社を軸として、自社内の複数の異なる同僚が登録した情報をまとめて確認することができます。
これらの情報はエンジニアの個別検索や体制検索の検索結果画面において、会社情報をクリックすると会社の詳細情報の一部として確認することができます。
AperportではSIer業界における信頼関係の構築のためには、発注会社の視点に立つと、エンジニアのスキルだけではなく、受注会社の営業の対応、受注会社の経営方針なども重要な要素になると考えています。
当たり前の内容ではありますが、限られた時間の中で限られた情報に基づいて判断しなければならない時、上記の観点を常に考慮することは難しいといえます。
関係性管理機能は、各現場のPMがパートナー会社に対して今後も優先的に発注をして一緒に仕事をしていきたいか、という問いを投げかけることによって、エンジニアのスキル、営業の対応、会社の経営方針などを総合的に判断して記録できるようにしています。
なお、エンジニアのスキルに関してはすでに評価機能として実装済みです。
将来的には、営業に対する評価についての情報も蓄積できるようにする予定です。
SIerの経営側の視点に立つと、パートナーのエンジニアの実力や、営業の対応能力の高さに関する情報は、適切な体制を構築し、顧客ユーザーのニーズに確実に応えていくために必要なものになります。
これらの情報は一部の関係者の間で情報共有されることはあるものの、会社全体としていつでも引き出せる形で情報が整理されているわけではありません。また、顧客との関係性管理だけでも非常に労力のかかる行為であるため、パートナーとの関係性管理をこまめに行うことは非常に困難です。
そこで、Aperportの関係性管理機能では、引き続き優先的に発注していきたいか、という最低限必要な評価項目に絞って情報を蓄積できるようにしています。
これにより、各現場でのパートナーに関する生の知識を、社内ですぐに意思決定のために参照できるようになります。
パートナーとの関係性を最もわかりやすく測る指標は取引額になります。しかし、取引額自体は過去の積み重ねの結果であり、今後のビジネスにおいてどのパートナーとの関係を深めていく必要があるかは、別途最新の情報を基に判断する必要があります。
発注優先度が高いと評価する人が多く、発注優先度が低いと評価する人が少ないパートナーから優先的に次の案件の案内するといったことをルーチンとして確立すると、既存パートナーの間で自然と健全な競争原理が働きます。
評価の高いパートナーに対して追加の報酬を与えることは予算の確保上難しいかもしれませんが、次の案件の優先的な案内であれば、パートナーの売上にも直結し、自社でも追加コストがかからないことから、適切なインセンティブを設定することができます。(当然、運用の透明性が高ければ高いほど、効果がでやすくなります。)
Aperportではパートナーとの関係性を固定的なものとして捉えず、常に移り変わりがあることを念頭に、適切な方向に向けた関係性の強化を支援するために、関係性管理機能を発展させていく予定です。